SWEET SERENADE

  CLANNADミニシアター #10 幻想世界(1)

ここはどこだろう……

意識が混濁している。

白い闇が、あたりを包んでいた。



寒い。



それは身体に感じる寒さと言うより、そういう感覚を抱かせる何か。

とてつもなくだるい感覚が、精神を支配している。

ああ、これは夢を見ているのかな。

遠くで、誰かの声がする。



……ん

……ねぇ……ん

だれ……私を呼ぶのは。

お……ちゃ……よ……

…………呼んでいる。

お姉ちゃん!

はっ……

お姉ちゃん。朝だよ。

あれっ?ここは……

瞼をゆっくりと広げると、視界に妹の姿が映っていた。
ベッドの上に横たわる自分の身体が、やけに重く感じられた。

そろそろ起きないと遅刻するよ?

おはよう……椋

おはよう、おねえちゃん。下でフルーツ牛乳用意しておくから、早く降りてきてね。

今の夢……なんだったんだろう……

杏のみた夢の意味は。
逆らいがたい運命の手が
彼女自身をさらおうとしているのか。
次回、「ラグナロク」

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