SWEET SERENADE
CLANNADミニシアター #13 願いの叶う場所
はぁ……
渚は、演劇部部室でひとり、ため息をついていた。
(ことみちゃん、どうしちゃったんでしょう……)
最近、演劇部に遊びに来てくれていたことみが
行方不明になっていることは、
渚にとって少なからずショックであった。
(きっと、無事に戻ってきます……きっと……)
渚はかぶりを振ると、気を取り直して立ち上がった。
その時のためにも、今のうちに練習ですっ!
そして、ステッキのようなものを手に取ると、ぶんぶん振り回す。
(たしか、ことみちゃんこれを振り回して…… そして、難しい呪文を流暢に唱えてました……)
その情景が思い出される。今となっては、なんだか遠い昔の出来事のようだ。
……………………
不意に、涙が出そうになった。しかし、渚はグッとこらえた。
練習、練習ですっ!
ブンブンと魔法のステッキ(?)を必死で振り回す渚。
端から見たら滑稽な光景に見えるだろう。
しかし、彼女は必死だった。
必死でステッキを振りまわした。
そうすれば願いが叶う、そんな気がしていた。
(ことみちゃんが無事帰ってきますように……)
心の中で唱える、願いの呪文。何度も何度もくりかえした。
渚の願いは届くのか。
ことみの安否は。
そして、いよいよ黒幕が動き出す……?
次回、「卑劣なる罠」
あなたはこの学校が好きですか?