(……この人、確か生徒会長だったわね……) |
……?私に何か? |
あ、ごめんなさい。考え事をしていたんで…… |
(まただ、この気配。この違和感。あの女生徒からそれを感じた。 私に対して、ある種の感情を抱いている。 そしてそれは、どちらかというと歓迎する種類のものじゃない。) |
(あの女生徒……3年生か。調べてみる必要があるな) |
……というわけで、これから職員室に行かなきゃなんないのよ。 |
藤林さんは、たしかクラス委員長を拝命しているのはありませんでしたか? |
しゃーないわよ、今月に入って3回目だかんね…… |
そうですか……なら、おまじないを試してみますか? |
え?それって遅刻がなくなるの? |
なくなるかもしれません。 |
(すすす、と有希寧にすり寄って)まだ少し時間があるのよねーっ |
時間はそんなにかかりませんよ。 |
じゃあ頼もうかなー |
それはもう、スパッと起きられるようになりますよー |
うんうん、そういうのを長年まっていたのよっ! |
では、はじめます。気持ちを楽にしてください。 |
すーはーすーはー…… |
(杏の額に手をかざして)アサーアサダヨー。アサーアサダヨー。アサーアサダヨー。 ……はいっ、おわりました。 |
ふーん、なんだか別段変わった気はしないけど。 |
そんなことありません。このおまじないの具体的効果なんですが、2度寝すると、心臓が麻痺します。 |
へ? |
だから、2度寝することがなくなります。そうすれば遅刻もなくなるし、2度寝してしまったらしてしまったで、永遠に遅刻に悩まされることもなくなります。 |
わーっ!!解除かいじょーー!!! |
お気に召しませんでしたか……我ながら画期的なおまじないだと思うんですがー |